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債務整理方法の一つ「自己破産」をしたときのデメリットは、財産を処分しなければならないということです。ここでは自己破産のデメリット、財産処分について解説します。

自己破産をしたら、財産を処分する必要がある

破産手続きをする場合には

  1. 破産手続開始時に破産者が有している差押えが可能な財産が破産財団に組み入れられます。
  2. 破産管財人の管理は破産財団にある財産を売却してお金に変えます。
  3. お金は破産管財人によって、債権者に弁済・配当されます。

簡単に言うと、破産管財人という担当者が自己破産をした人の財産を売ってお金に変えた上で、債権者に分配するということです。

自動車や住宅などの財産があったとしても、売却されて借金の返済に回されることになるのです。

これが自己破産という債務整理方法の最大のデメリットと言えます。その代わりに借金がゼロになるというメリットがあるのです。

処分しなくても良い財産がある

財産をすべて没収してしまえば、自己破産をした後に生活ができません。そのため、破産法では自己破産をしても処分しなくてよい財産「自由財産」が決められており、処分しなくても良い財産があるのです。

処分しなくても良い財産

破産手続開始決定後に取得した財産「新得財産」

破産手続開始決定時に得た財産に関しては処分する必要はありません。自己破産をしてその後に働いて何かを買ったとしても、それを処分する必要はないのです。

法律上差押えが禁止されている財産「差押禁止財産」

  • 債務者等の生活に欠くことができない衣服、寝具、家具、台所用具、畳及び建具
  • 債務者等の一月間の生活に必要な食料及び燃料
  • 標準的な世帯の二月間の必要生計費を勘案して政令で定める額の金銭
  • 主として自己の労力により農業を営む者の農業に欠くことができない器具、肥料、労役の用に供する家畜及びその飼料並びに次の収穫まで農業を続行するために欠くことができない種子その他これに類する農産物
  • 主として自己の労力により漁業を営む者の水産物の採捕又は養殖に欠くことができない漁網その他の漁具、えさ及び稚魚その他これに類する水産物
  • 技術者、職人、労務者その他の主として自己の知的又は肉体的な労働により職業又は営業に従事する者(前二号に規定する者を除く。)のその業務に欠くことができない器具その他の物(商品を除く。)
  • 実印その他の印で職業又は生活に欠くことができないもの
  • 仏像、位牌その他礼拝又は祭祀に直接供するため欠くことができない物
  • 債務者に必要な系譜、日記、商業帳簿及びこれらに類する書類
  • 債務者又はその親族が受けた勲章その他の名誉を表章する物
  • 債務者等の学校その他の教育施設における学習に必要な書類及び器具
  • 発明又は著作に係る物で、まだ公表していないもの
  • 債務者等に必要な義手、義足その他の身体の補足に供する物
  • 建物その他の工作物について、災害の防止又は保安のため法令の規定により設備しなければならない消防用の機械又は器具、避難器具その他の備品

99万円以下の現金

手持ちの現金のことです。銀行等の預金や貯金などは含まれません。100万円の手持ち現金があった場合には1万円分は破産財団に組み込まれることになるのです。

自由財産の拡張がなされた財産

前述した自由財産以外でも、裁判所の決定によって自由財産として取り扱うことができるという制度が設けられています。裁判所に自由財産の拡張が認められればその財産も処分しなくて良いのです。

破産管財人によって破産財団から放棄された財産

売却をしようとしたが、売れなかった財産のことです。

まとめ

自己破産をした場合の最大のデメリットは

財産を処分しなければならない

というものです。

しかし、破産法では最低限必要な財産は「自由財産」と呼ばれ処分の対象から除外できるのです。

それでも、自動車や住宅などの高額な財産は処分する必要が出てくるので注意が必要です。住宅などの処分が嫌だという場合には自己破産ではなく、他の債務整理方法の個人再生などを選択する必要があります。